小柄な人向けのバイク選び
バイクの免許を取得するために教習所に通うと、まず最初に実技教習で言われるのがまたがったときの足着きについてです。
バイクの場合自転車と異なりシートの高さを自分で調節することができません。
ですので既にメーカー側で開発設計されているモデルの中から自分が乗りやすい車種はどれかということを考えて購入するバイクを選ぶことになります。
ただ先に言っておきたいのが、バイクは足着きのよさだけで選ぶのが正解というわけでないということです。
バイクに乗るためには最低限発進のための停止時の操作や立ちコケをしたときに引き起こすという動作が必要になるのですが、小柄な女性であっても力の入れ方のコツさえつかめば十分にバランスをとることができます。
実際身長150cmに満たないような小柄な女性でも大型バイクに乗っているということはよくあります。
よく言われることですが、バイクメーカーはバイクを開発するときに「女性用」「男性用」といった明確な分け方をしているわけではありません。
まだ免許をとってまもなく運転技術にあまり自信がないという人は安定して取り扱える体格にあったバイクを選ぶというのはありですが、その後ずっと大きなバイクに乗ることができないということはありませんので安心してください。
シート高だけで選ぶ場合の参考
国内海外で製造販売されているバイクはデザインもさまざまとなっており、シート高もそれぞれ異なっています。
シートが低めのバイクということでいけば、全体的にシートが低く作られている傾向が見られるのは「アメリカンタイプ」と言われるようなツアラー仕様のバイクです。
ちなみに「アメリカンタイプ」というのは日本国内だけの用語であり、世界基準では「クルーザータイプ」と言われています。
足着きが低いだけでなく乗りやすいように広いステップがついているようなタイプも多く、女性ユーザーも多く乗っています。
逆に足着きがかなり厳しいシート高が高く作られているのが「オフロードタイプ」で、細くて径の大きなタイヤを使用していることから男性でもかなり身長がないと足がつかないというものも多く見かけられます。
ちなみに日本メーカーの中で400cc超の車種で最もシート高が低いのはHONDAの「SHADOW Phantom750」で、650mmと小柄な女性でも足着きができるサイズとして作られています。
ホンダ製の大型バイクには他にもシート高が低めになっているものが多いので、足着きのよいバイクを求めている女性ユーザーはホンダ製品をチェックしてみることをおすすめします。
既存モデルのローシートカスタムは危険
足着きがよくないバイクにどうしても乗りたいということで、既存のバイクを改造してシート高を無理やり低くするという人もいるようです。
ローシートカスタムを請け負うという修理工場も全国にあり、どうしても乗りたいモデルを自分の足着きサイズにするというありがたいサービスのように感じられます。
ですが注意をしてもらいたいのが、既成品のシートを低くするということはそれだけバイク全体のサスペンションの遊びがなくなってしまうということです。
オフロードバイクで考えてもらいたいのですが、オフロードではタイヤが高くフレームを長くつけていることが特徴です。
これは公道ではなく砂利道や山道のような衝撃の大きい場所を走行するときに、運転手への振動を和らげるための強力なサスペンションがついているためです。
既成品のバイクではそのバイク重量や用途に応じて必要な強度のサスペンションを搭載しているわけなので、それを無理に削って低くするということはそれだけ体に伝わる衝撃や振動が大きくなってしまいます。
先にもいいましたが体格が小さな人でも十分に大型バイクを扱うことは可能なので、あまり体型に合わせた改造はしないことをおすすめします。