ヘルメットの材質はどんなのがあるの?

バイクのヘルメットの構造はどうなっている?

バイクのヘルメットは、当然のことながら転倒・衝突などからライダーの頭部を守るために装着するものです。
基本的な構造は、衝撃から頭部を保護するシェル(外殻)、日差しや粉塵からライダーの目を保護するシールド、衝撃を和らげるライナー、そしてヘルメットを頭部に固定するあご紐の4つの部分でなりたっています。

その中でもヘルメット本来の役割と深く関わってくるのが、シェルとライナーです。
表面のシェルと内装の間にライナーが入っており、転倒・衝突によって頭部に衝撃が加わった際にはまずシェルが直接の衝撃を防ぎます。
そのうえでシェルから頭部へと伝わっていく衝撃をライナーが吸収することで、頭部へのダメージを最小限に抑えるのです。

なお、意外にもこのライナーのおもな素材は発泡スチロールです。
このライナー部分には衝撃を吸収するために多段発泡や二重構造などさまざまな技術が施されています。

それから、シールドの役割はライダーの視界を確保することです。
紫外線を吸収し、ゴミやホコリが付着しにくい素材が使用されているほか、強度と透明性に優れていることも重要な条件となります。
ちょっと環境が変化しただけですぐに曇ってしまうようでは危険性が高くなりますし、いくらシェルやライナーで衝撃を吸収してもシールドが衝撃にもろいのでは安全性を十分に確保できないからです。
そしてあご紐は走行中や衝撃時にヘルメットがライダーの頭部から外れないようにしっかり固定する役割を担っているため、耐久性はもちろん、伸縮性に優れていることも重要です。

ヘルメットに使用されている素材にはどんなものがある?

安全性・耐衝撃性の点から考えても、シェル部分がもっとも重要な部分となります。
耐衝撃性に優れているだけでなく、の軽量性なども求められるので両者のバランスが取れた素材が用いられています。

シェルの素材としてよく使用されているのがABS樹脂です。
AS樹脂というポリスチレンを改良して作られた素材にポリブタジエンを加えて作られる素材で、低コストで優れた耐衝撃性を備えている一方、熱に弱い難点を持っています。
ABS樹脂よりも耐衝撃性に優れているのがポリカボネートで、これはシールドの素材としても広く使用されているものです。
ABS樹脂と比較して高価になること、やはり熱に対して若干の弱さを持っている難点を抱えています。

さらに優れた耐衝撃性を備えた素材として、ガラス繊維を固めたDFRP(ガラス繊維強化プラスチック)やカーボン繊維を固めたDFRP(カーボン繊維強化プラスチック)などもあります。
現在ではとくにGFPRが広く普及しており、比較的安価なうえに非常に優れた耐衝撃性・耐熱性を備えています。